ここは、知的障害者支援施設です。養護学校卒業生や社会に対応できないなど色々な障害者が利用している施設です。
ここで、生活や仕事を勉強して社会復帰していくのですが、なかなか受け皿は少なく厳しいようです。
かりいほさんとは、先代の時からのお付き合いで、時々お茶の加工をしてあげたりしていました。なんで、社会福祉法人がお茶をつくってるのかな~?と思って聞いてみたところ、障害者に対する国からの補助金も年々削られ、社会の受け皿も少なく,結局は自分たちで仕事場や生きるスペースを作って行ってあげなければ行き場がなくなってしまうということでした。
ただでさえ、24時間勤務で時間の拘束だけでも厳しく、本当に特殊な仕事のため,考えるだけで自分だったら目の前のことだけでいっぱいになりそうです。
20代~60代までの生活(食事・運動・仕事・精神・下)の補助をするのは、並大抵のことではありません。
それなのに、その先を考えている。。。本当に、利用者のことを愛し考えている。。。
当時、一番の窓口なってくれていた馬場さんのしてくれた話に感動しすぎた私は、少しでも力になりたいと思い、お茶で利益を上げる方法を考え提案していきました。
その一つが、今回行ったプロジェクトでした。
お茶は、農産物の中で加工が加わって初めて商品となるものです。
販売の仕方としては、以下の方法があります。
①生茶葉まで生産して荒茶工場に買ってもらうやり方。
②荒茶まで自社工場で作りお茶屋に買ってもらう方法
③仕上げ茶・パッキングまで行いお客さんに直売りする方法です。
この中で、一番利益が取れるのは、やはりすべて一貫して行う③番です。
しかも③番のやり方では、商品に作り手の思いや栽培方法などの付加価値がのってきます。
なので、かりいほさんが作るお茶は③番に適しているのです。
ただ、③番を行うには、大きな壁があります。
それが、多額の設備投資です。お茶の機械は、ともかく高いんです。1億なんて平気でいきます。
だから、安価な機械を見つけてくることが僕の使命でした。
不幸中の幸いか?一般茶業は、生産過剰により衰退してきています。経営が成り立たず、廃業する工場もあり、そこが僕の狙い目でした。できるだけ安くとは言え、工場主は、多額の金をはたいて買った機械であり、なかなか安価では売ってくれません。(実際は、使わなくなった機械ほど邪魔なガラクタはないのですが・・・)一応、資産ですからね。
何件か工場を紹介してもらい回り、意図を説明して歩きました。
プロジェクトを進めてくうちに、どうも機械の運搬や設置、工事資金を考えると機械代がただじゃないと厳しいんじゃないかと思うようになりました。
なので、最初は買い取るつもりだったのですが、2ヶ月間の交渉の末、無料で機械を頂くこととなりました。本当に、ありがたかったです。
その頂いた機械が、今年の新茶から稼働しました。
先日、製茶指導に行ってきました。お茶は、加工が加わって初めて商品となるもの。。加工=料理です。加工次第で上手くもまずくもなります。ここからが大変ですが、かりいほらしいお茶ができるように頑張ってもらいたいです。
かりいほに、新しい風が吹きました。
摘まれた茶っ葉 |
蒸し行程中の高橋先生 |
かりいほ工場で初めてできた新茶の官能 |
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